関西ダンマサークルの報告2010.11


関西ダンマサークルの報告をさせていただきます。

◆11月28日(日)/マーヤーデーヴィー精舎
 9:00~11:30 自主冥想 
11:30~11:45 お釈迦さまへお食事のお布施
11:45~12:30 昼休み
12:30~13:20 会議 
13:30~17:00 勉強会(参加者23名)

今回は あなたの命が、もしあと一日だったら~仏教の「不死なる道」~の後半を聴きました。

前回は、『死は確実ですが、俗世間ではそれを絶対に認めません。死を避けようと必死になるために、心の汚れ、煩悩が生まれます。世の中も良くなりません。死を認めれば、リラックスして楽しく生きていけます。死を認めるには勇気と精神的な強さが必要です。死の随観を実践すると、緊急性が育って、心にすごい力がでます。「箭経」を読むと無知が消え、事実を認める勇気がわいてきます。こころが清らかになります。このようにして、仏教の人は死を認める訓練をします。』というような内容でした。

<今回のお話>
俗世間では「命はあと一日」というのは驚くべき、言ってはいけないことかもしれませんが、仏教では爆弾発言でもなんでもありません。

仏教からみると「命は一日」とするのは長すぎです。「命は息を一回吸って吐くくらいの時間」と仮定して、そのくらい緊急性をとって冥想しないと、煩悩は消えません。

もし今死ぬとするなら、「死後不幸に陥るような汚れ、不善は心にあるか」と観察して、あればその不善を絶ちます。無いと発見したなら、その喜びを味わえばいい。

また、気づきの実践をすれば、たとえ今の瞬間で死んでも安全です。気づくこと(サティ)をしていると、心はその瞬間で綺麗なのです。ですから死ぬと分かったら、瞬間から気づく冥想をするしかないのです。

例えば、癌で末期だとしても意識はあるでしょう。その意識で観察する。痛みがあったら痛みで、膨らみがあったら膨らみで、痒みがあったら痒みで。
そのまま消えていくんだ、消えていくんだ、消えていくんだと。次から次へと。現象が現われては消えていくんだと、いうと無執着の心が現われます。

死ぬということが物凄く急迫的に襲ってくると、けっこう悟れます。
悟りというのはそんなに珍しいことではなくて、心理学的な事実です。ただ、心を転回させるために物凄く緊急性が必要なのです。

一般の世の中では、一日どころか先は長くないと言われたら、その事実を認めがたく混乱におちいるのが普通です。

はじめから仏教を知っている人などなら問題ないのですが、普通の人はそういう状態になってから死の冥想(「命はあと一日」というシュミレーション)は出来ません。

体力もあって、元気一杯で、将来の夢を無数に抱いている最盛期に、このシュミレーションを真面目にしてみてください。だから子供に最初にこの冥想を教えた方がいいのです。いっぱい夢を抱えているところですから。それで物凄く元気になるのです。

【死の冥想(随観)】
死を覚悟して、何をすべきか考えます。24時間しかありませんから、何にでもチャレンジする余裕はない。必要な行動を選択しなくてはいけません。

私達は「肉体に刺激を与える」「肉体を守る」という価値観しか持っていません。
必要な行動を選択する時の基準もこの2つです。
ですから最後に食べたいものでもありますかと聞くし、命はあと一日しかないと言うとものすごく頭がおかしくなるのです。

死後があるかどうかは本当のところは分かりませんが、あってもなくても肉体は捨てます。また、今死ぬなら今までの生き方、築いたもの、得たもの、必死になったもの、命をかけたもの全て無駄になるでしょう。ですから価値観を変えてほしい。

持っていかなくてはいけないもの「心」に何か汚れでもあるかと調べて、整理整頓して、落ち着いている。そういうふうに価値観を変えなくてはいけないのです。

瞬時に死を想定して、全てから離れるのだ。全て捨てなくてはならないのだ。必死になって生きようとしなくてもよいのだ。憎しみ、怒り、嫉妬などで悩むのも無意味だ。親しいもの、可愛いものがいても足を引っ張られるだけだ、とわかるでしょう。これが一日しかない人の考える思考パターンです。自由になった心が限りない安らぎを感じるはずです。

シュミレーションをしてあの気分を経験することが死の冥想です。

そして、価値観を入れ替えたならそれが人生論なのです。
死は確実だからこそ、人はこの考えを一生の人生論にしなくてはならないのです。あの安らぎの生き方、何にも囚われない生き方をしてください。
<終わり>

法話の後、法話の内容を基に資料「智慧ある人は愉しんで生きる」も参考にして意見交換をしました。

勉強会の後、戒壇堂で読誦して終了。

★次回は12/19(日)にアラナ精舎で行います。

お幸せでありますように  YO

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